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コラム「心の抽き出し」
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平素より大変お世話になっております 前年に引き続き、健康経営優良法人2025に認定された旨、ご報告させていただきます。 今後も、日々精進してまいりますので、ご支援の程、よろしくお願いします。 健康経営とは従業員の健康管理を経営的ば視点で考え、戦略的に実践することです。 当法人は、2017年より、健康経営を経営戦略に位置付けて取り組み続けています。
健康経営優良法人2025
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「高齢者」という言葉は明治維新の後から使われるようになったのだそうです。江戸時代は年を寄ると「老入り」と呼び隠居して若い人を育て、引き立てる役目を担ったそうです。 江戸時代の老人の役割は「どれだけ若老を笑わせたか。どれだけ若者を引き立てたか。どれだけ良いことを伝承したか」が目標でした。 アメリカの高齢者ネットワークを推進する、マギー・キューンは、「OLD、とは勝利であり功績だ」と解釈し、“余生”とは、学ぶこと、成長すること、交際を広げることであり、最後の一瞬まで“愛しなさい、変化しなさい”と説いています。熟年者の行動理念に「I(私)から、We(私たち)へ」を掲げ、老いてこそ、人生本番と果敢に活動しました。 聖路加病院の日野原重明先生も新老人の生き方を「愛し愛されること。新しいことをクリエィティブに創り出すこと。耐え忍ぶこと」と提唱されています。 高齢社会こそ“価値資産”の宝庫ですね。
老いの価値
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染色家・志村ふくみさんが「美しい桜色に染まった糸で織った着物は、桜の花びらから染めたものではなく、実際は桜の木の皮から取った色です」と語っています。 桜の花が咲き出そうという時節、根から幹、枝の木全体で懸命になって最上のピンクの樹液を花に送り茜色の花を咲かせるのです。 桜の花が美しいのは、この見えない力があるからです。 詩人・相田みつをさんも「花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 根はみえねんだ なあ」と書き、「土の中の水道管 高いビルの下の下水 大事なものは 表にでない」と詠んでいます。 文豪ゲーテは、言葉や思いについて「心の底から出てこなくては、人の心に届かない」と説いています。 届けたい言葉の根底が桜の花びら一枚、一枚なのかもしれません。 見えない力こそが「まごころ」なのですね。
“見えないもの”
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体で骨の数が一番多い部位は“手と足”で、手足の指を動かすために小さな骨の一つひとつに神経が脳とつながって働いています。 老化を予防するために、手足を動かすことがとても大事です。 土と炎 詩人といわれる陶芸家・河井寛次郎さんは、“手と足”の言葉を創っています。 「手考足思」手で考え足で思う。「手念足願」、「手読足解」、「手霊足魂」、陶芸家は足でロクロをまわし、手で土を練りますが手足ではなく全身全霊で打ち込む姿だから出る言葉です。「眼聴耳視」、「心力彫身」も同じ言葉に思えます。 寛次郎さんの言葉に「井蛙知天」があります。私たちが知っているのは“井の中の蛙、大海を知らず”ですが、蛙は大海を知らなくても毎日仰ぎ見る広い天を知っているよ、と教えてくれるのです。“手と足”“海と天” ちょっと観かたを変えると違うものが観えるのですね。見学の“見”から観察の“観”ですね。
「手」と「足」に思うこと
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介護施設で暮らすお年寄り72人の言葉を集めた本が出版されました。体の衰えとは別に、気力の確かさに“元気と勇気”をもらい、言葉の力強さに胸を打たれます。 95歳の認知症の女性が「忘れるとは心を失うと書くでしょう。でも面倒みてもらっていることや、親切をいただいていることは忘れない」− 面と向かって言われたら涙が出ます。 「いくつになっても女をすてたらあきません」と、100歳の女性に言われたらどうだろう。迫力と説得力に人生の達人を感じます。 目が不自由な80歳の女性は「嫌なこと、悲しいことは頭から外すようにしている。生涯で今は一番幸せと思う」と、プラス思考。70歳まで働き通しの人生だったという女性は「コツコツ動いてコツになる。人間これやで」と語り、90歳の女性も「昔のことは忘れなあかん。幸せになるコツや」と説く。 − 珠玉の名言に心打たれます。 人生の教科書ですね。 *出典:『至言・名言 介護施設で出会いました』NPO法人介護保険市民オンブズマン機構大阪/定価:600円
誰にも書けない“人生の名言”